After The Long Viewing 5

ミラー: ボス。また一つ明らかになった。例のウィッカーマンについてだ。

スネーク: ああ、今度は何だ? ミラー: どう呼べばいいか解らないが、プラスとマイナスを合わせたゼロの遺産、というところか。 スネーク: 話してくれ。

ミラー: 覚えているか? エメリッヒの動向を調べた際に、あのママルポッドから出てきた、ストレンジラブの音声。ザ・ボスを模したモノが、何かをやってくれると信じているような話し方。ウィッカーマンがそれをすくい上げたらしい。 ウィッカーマンがやっていた計画の名前は『Heaven's Divide』楽園の分断だ。 ウィッカーマンが何かをしていた。ということしかわからない。だから、入手した計画の断片から推測した。そして、俺はこの推測が正しいと思っている。 ウィッカーマンがやろうとしていたのは、世界中のあらゆる勢力が、それぞれの楽園を目指すことができるようにする。それこそが、ザ・ボスの意志であり、一つの意志が目指す、統一世界だと。 つまり、そのために必要なことは、誰もが、決して侵されることのない、己の体と心という絶対の領土を治める『自分自身のボス』になる。ということだ。 DNAという無数の組み合わせから、ヒトの形、そして個人を形作る遺伝子(GENE)があり、生まれた時に、ある程度のことが決まっているとしよう。 世界に存在する無数の記録、語り伝えられている何かから、自分の考えを得る(MEME)、生まれた後にも、ある程度の道筋は決まっているとしよう。 だが、その後に生まれる己にしかない感覚(SENSE)によって、選び取り、学び取る姿勢、その生き様こそが、世界に無限のエフェクトをもたらす(WAVE)となる。 そう気付いた瞬間に世界は動く。その瞬間に気付いた者は『ボス』となる。 その為の仕掛けを世界中に残した。そういうことだ。

スネーク: なるほど。つまり……

ミラー: そう。俺たちのやることは何も変わらない。俺たちの楽園を目指して進むだけさ。それがもたらす何かが、俺たちにとっての脅威を生むとしても、だな。

スネーク: いずれ、そんな奴らと戦う事になるかもしれない。

ミラー: 備えはいるな。だが、あくまで俺たち自身のために、だ。 (了)

Score of Infinite Symphony

色々とまとめたもの

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