Phantom in a Coma
MGS4
愛国者達のAI崩壊後、スネークと対峙したリキッドが語る。
これこそが俺が望んだ結末だ。
今この時、この場所こそがアウターヘブンなのだ。
そう考えると何か見えてこないか?
ヘブン(天国)とは何だ? それは何処にある?
ここまでたどり着いたお前ならわかるはずだ。
それは俺やお前、この世界に生きる全ての人間の最も身近に存在する。
それは俺達の頭の中だ。
即ちアウターヘブン(天国の外側)とは、俺達が生きるこの世界そのものなのだ。
敵から逃げる。 身を潜めてやり過ごす。
見つかって攻撃される。 ライフがゼロになりコンティニュー。
その膨大な繰り返しの果てに自分だけの "SENSE" を獲得。
避けられぬ戦いを越えてその次へ。
そうやって今ここにいるお前には答えが見えるだろう?
敵を倒すための最適解は『戦わないこと』だ。
だが、これは答えの半分だ。いや答えの書かれた紙の一面と言ったところか。
他者との違いにより自分を見出すことを宿命づけられた我々は、自分だけのヘブン(天国)を求めて、いつか必ず衝突する。
では、戦いとは何だ? 暴力に頼らない戦いとは?
それは生きることだ。
デジタル技術が戦争、暴力、狂気をもたらしながらも人が生きる希望をもたらすとすれば、また何か見えてこないか?
デジタルというものが機能するためにはゼロ "ZERO" だけでは足りない。
ゼロとの違いを持ったワン "ONE" が必要なのだ。
ナンバーワンやオンリーワンなどの言葉では足りない。
そして、なにも付け加える必要はない。
俺達はこの世に生を受けた時点で、唯一無二の "ONE" なのだ。
スネーク。戦争は終わった。
次は俺達の決着をつけよう。
何のために戦い。何のために決着をつけるのか。
それはお前が決めろ
(了)
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