After the Long Viewing 4
ミラー : ボス。ウィッカーマンの研究について、また一つ解った。
スネーク : 聞かせてくれ。
ミラー : コードトーカーの研究を引き継いで完成させたもののようだ。メタリック・アーキアや腐食性アーキア、『覆いつくすもの』などを寄せ集めて作り上げた。それは諜報活動におけるバックアップ・サポート機器の究極系とでもいえる存在。『結合分解アーキア』だ。
スネーク : 結合分解……?
ミラー : ちょっと大げさかもしれないな。つまりこの『結合分解アーキア』というのは、自然環境が人工物を分解する機能を大幅に高めるもの、ということだ。入手したサイファーの資料によると、プラスチックをおよそ五年で分解できるそうだ。つまり、スカルフェイスの役割を忠実に引き継ぐことになる。
スネーク : 俺の記録を書き換えることが出来ると?
ミラー : そう言う事だ。これをソ連領内・ツェリノヤルスクに意図をもって使えば、あんたが……そう、あんたが『ヴァーチャス・ミッション』『スネーク・イーター作戦』でどんな風に行動したか。あるいは行動しなかったか。場合によってはそんな記録は無かった、というものを残すことが出来る。
スネーク : それは、コロンビアやコスタリカにも及ぶ。
ミラー : そうなるな。そして、虚実入り混じった伝説的な英雄譚に現実味が増すことになる。
スネーク : 大きな嘘を吐くためには、小さな真実が多くあった方が良い、ということか?
ミラー : そうかもしれない。俺達がこうしていることも、誰かが望んだ物語の一部かもしれないが。そう考えると、嫌な感じもするな。どうにも弄ばれているような……今に始まったことじゃないが。
スネーク : ……地球は青かった。だが、神はいなかった。
ミラー : それは正確な記録ではない……か。
この嫌な感じは俺に何かを訴えかけているようだ。
どんなに立場が上の人間でも、人間であることに変わりはない。
そいつらに無茶な役割を押し付けるもんじゃない。
完璧にすべてをやり遂げることを期待するんじゃない。
お前が不満を感じていることが何よりの証拠だ。
だれかの仕事が上手く行かなくてこうなったとするなら、
お前にやれない筈は無い。
自分が望むようにやってみせろ。
まあ、こんなところか。
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